クッションマム栽培日記

クッションマム (ドーム菊・ざる菊) の挿し芽

クッションマムを含む栽培ギクは、多年草です。
花が咲いた後、古い葉や茎は枯れますが、新しい芽が出てきて、次の年も育てることができます。
地植えにしておくと、何年、何十年と生えているキクもあります。

クッションマムも、植えたままにしておけば、次の年も花が咲きますが、半球状にはならず、普通の小菊のような状態になってしまいます。
そのため、毎年、挿し芽か、根分け (株分け) をして、株を更新するとともに、1本の株にする必要があります。
1本の株が分枝を繰り返すことで、クッションマム特有のきれいな半球状になります。

ここでは、クッションマムの簡単な挿し芽についてご紹介します。

挿し芽の時期

クッションマムは、花が咲いた後、葉や茎が枯れ、株元から新しい芽が出てきます。
4、5月頃になると、新しい芽が伸びてくるため、この芽を使って、挿し芽をすることができます。
一度、挿し穂を取った茎からは、わき芽が伸びてくるので、このわき芽を使って、さらに、2、3回、挿し芽をすることもできます。
基本的には、栽培期間が長いほど、大きな株になるので、大きな株にしたい場合は、暖かくなってからですが、早めに挿し芽をした方がよいでしょう。

必要なもの

親株

病気がなく、芽が伸びてきた株を使います。
前年の生育状況を見て、淘汰 (注)、もしくは、選別 (注) をすると、なお、良いでしょう。

注) 淘汰 : 病気がある株、生育が悪い株、花の形などが悪い株を排除すること。
注) 選別 : 病気がなく、特に、生育が良く、花の形などが良い株を選び出すこと。

市販の野菜や花の培養土、古土の再生土、田畑の土を使います。

以下では、古土 (鉢植えで使っていた培養土) に、バーミキュライト、もみ殻くん炭を少し混ぜて (それぞれ1割以下)、使っています。

セルトレイ

挿し芽をたくさんする場合は、セルトレイが便利です。
72穴や128穴のセルトレイを使います。

ポリポット、育苗箱、植木鉢、プランターなどを使っても、問題ありません。

以下では、72穴セルトレイを使っています。

水稲育苗箱

水稲育苗箱にセルトレイをセットして使います。
水稲育苗箱は、無くても構いませんが、持っていれば、使うとよいでしょう。
セルトレイに水をかけるとき、水稲育苗箱があると、水が抜けるのに時間がかかますが、その間に、セルトレイの各穴に水が行き渡ることが期待されます。
セルトレイを運ぶときにも、便利です。

挿し芽の手順

① セルトレイに土を入れる

水稲育苗箱にセルトレイをセットして、セルトレイの各穴に、上から土を入れます。
水稲育苗箱の端を持ち上げて、トントンと地面に軽く叩きつけると、土のすき間が埋まります。
セルトレイの穴の上まで土を入れます (下の写真)。

セルトレイに土を入れた様子

セルトレイ以外では、ウォータースペースを空けて、適量の土を入れます。

② 土に穴を空ける

セルトレイの各穴の土に、挿し穂を挿す穴を空けます。
竹串や使い捨ての箸、木の枝などで、深さ2 cmほどの穴を空けます (下の写真)。

セルトレイの穴の土に穴を空ける様子

セルトレイ以外では、挿し芽の隣同士の葉が触れ合わない間隔で、挿し穂を挿す穴を空けます。

③ 挿し穂を取って挿す

通常、挿し木では、茎の途中も使いますが、挿し芽では、芽の先の方だけを使います。

病気がなく、生育のよい芽を選びます。
指で、芽を摘まんで、4〜5 cmほどの長さで、折り取ります (下の写真)。
このとき、指で簡単に折り取れるところを使います。
茎が硬くなって、簡単に折り取れないところは、挿し芽には適していません。

挿し芽を折り取る様子 折り取った挿し芽

挿し穂を取ったら、土に入る部分の葉を付け根からむしり取ります (下の写真)。
このとき、茎を傷つけないようにします。

挿し穂の葉をむしり取った状態

すぐに、セルトレイの土に空けた穴に、挿し穂を入れます (下の写真)。
通常、挿し木では、挿し穂を水に浸けますが、「簡単」ということで、水には浸けません。
発根促進剤も使いません。

穴に挿し穂の入れる様子

挿し穂の切り口に繊維が残って、きれいに折り取れなかった場合は、よく切れるハサミやナイフで、先を斜めに切ります。
挿し穂の途中が折れ曲がってしまった場合は、よく切れるハサミやナイフで、折れ曲がったところの上を斜めに切ります。
きれいに折り取れた場合は、そのまま挿します。

挿し穂を穴に入れるときは、入れるだけで構いません。
挿し穂と土のすき間は、水をかけたときに埋まります。

④ 水をかける

上から、ジョロのシャワーで、水をたっぷりかけます。
1回かけて、少しおいてから、もう一度、かけます。
挿し穂を水に浸けていないので、セルトレイ1枚に挿し終わったら、すぐに水をかけるようにしましょう。

挿し芽したセルトレイ

⑤ 明るい日陰に置く

挿し芽後、1週間ほどは、風通しのよい、明るい日陰に置きます。
日向しかないときは、遮光ネットやすだれなどで、光を弱めます。

加湿にならないように、作業用のカゴや空のプランターなどの上に置いて、地面から離し、水が抜けるようにします。

挿し芽の管理

水やり

1日、1回、たっぷり水をやります。
雨やくもりで、土が湿ったままの場合は、水やりは不要です。

日当たり

挿し芽後、1週間ほど経ったら、少しずつ、日の当たる場所に移動します。
暑い時期でなければ、2週間ほど経ったら、日向に置いても、大丈夫です。

ポット上げ

挿し芽後、20日ほど経ったら、ポリポットや小さな植木鉢に植え替えます。
ポット上げについては、「ポット上げ (鉢上げ)」をご覧ください。

成功率

ここで紹介した方法で、実際に挿し芽をしたところ、成功率 (注) は、およそ90%でした。

注) 成功率 : 十分に発根したものの割合。

注意点

挿し芽をするときは、品種登録されていない品種、もしくは、育成者権が消滅している品種を使うようにしましょう。